焙煎度合いについて

手しごとと珈琲と、コギコタと。 vol.2「焙煎度合いについて」 豆の個性と向き合う、8つのステージ コーヒーの味わいを大きく左右するのが「焙煎度」。

同じ生豆でも、熱の入れ方ひとつで香りも味もまるで別物の表情を見せてくれます。

焙煎度は大きく8段階に分けられ、浅煎り → 中煎り → 深煎りへと進むにつれ、酸味からコクへ、軽やかさから重厚さへと味わいの軸が移り変わっていきます。

ここでは、焙煎度ごとの特徴と、豆がどんなふうに変化していくのかを、やわらかい表現と専門的な視点の両方から綴ってみます。

1. ライトロースト（浅煎り・最浅）

まだ生豆の青々しさが残る段階。フルーツの皮のようなシャープな酸味が強く、個性はあるものの扱いが難しい領域です。“豆の素顔”がそのまま立つ、まさに最初の一歩。

淡い茶色で、明るい酸味が中心。柑橘のような爽やかさや、スッと抜ける軽い香りを感じられます。フルーティな豆との相性がよく、産地の個性が素直に出る焙煎度です。

浅煎りの魅力果実味・透明感・瑞々しい酸味“豆の個性が一番素直に現れる領域”

酸味に丸みが出始め、香りにも厚みが加わってくる頃。紅茶のように飲みやすく、軽さの中にほんのりと甘さが現れます。朝の一杯にも、気分をリセットしたい時にもぴったり。

酸味とコクが最もバランスよく整う段階。日常にそっと寄り添う“ちょうどいい”味わいが魅力で、どんなシーンにも馴染みます。ほんのり甘く、やさしい香りが特徴。

中煎りの魅力調和・飲みやすさ・柔らかさ“ほどよい豊かさと安心感のある味わい”

コギコタコーヒーが採用している焙煎度。甘みが引き立ち、コクも十分。酸味は穏やかになり、香ばしさとまろやかな旨みが広がります。ミルクとの相性も良く、ブラックなら落ち着いた余韻を楽しめます。

“ふだん飲むコーヒーを少しだけ豊かにしてくれる”──そんな塩梅の焙煎度です。

苦味がしっかりと立ち、甘みも濃く、重心がぐっと低くなっていく段階。チョコレートやナッツのような香りが深まり、余韻も長く続きます。

チョコレートのような甘苦さが特徴で、エスプレッソでも力を発揮。油分が表面に浮き始め、香りの密度が高まります。アイスコーヒーにも相性抜群。

強い苦味と香ばしさが際立ち、深いコクが余韻を支配します。煙感のある大人の味わいで、ミルクとの相性が非常に良い領域。“極”の深煎り。

深煎りの魅力重厚さ・甘苦さ・深いコク“味わいの輪郭がはっきりと浮かび上がる”

焙煎度が変わるということは、豆の中で起きる化学反応のバランスが変わるということ。酸味、甘み、苦味、コク。

それぞれの線が交差し、豆の個性と焙煎士の意図が重なることで、ひとつの味が完成していきます。

コギコタコーヒーがシティローストにこだわる理由は、“甘み・香ばしさ・飲みやすさの心地よい均衡”が得られるから。

浅煎りの透明感も深煎りの重厚感も好きだけれど、日々の暮らしに溶け込みながら気持ちをふわりと整えてくれる焙煎度を選びました。

あなたの好きな焙煎度は、どの段階でしょうか。

焙煎度の違いを知ると、毎日の一杯が少しだけ楽しくなります。